本日は、J1、2017年前半戦8位、浦和レッズについて、シーズン前半戦の結果を紐解いていきたいと思います。
*【浦和レッズ】アジア王者に輝くも、リーグ戦は屈辱の7位~2017シーズン 順位・結果~
はこちら
■前半戦成績(総合・ホーム・アウェー)
・総合成績
勝点 | 試合数 | 勝数 | 引分数 |
26 | 17 | 8 | 2 |
負数 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
7 | 41 | 29 | 12 |
・ホーム成績
勝点 | 試合数 | 勝数 | 引分数 |
16 | 8 | 5 | 1 |
負数 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
2 | 26 | 15 | 11 |
・アウェイ成績
勝点 | 試合数 | 勝数 | 引分数 |
10 | 9 | 3 | 1 |
負数 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
5 | 15 | 14 | 1 |
一体、浦和に何が起きているのか、目を疑いたくなるような惨状ですね。
昨年度年間勝点1位の面影はもはやありません。
とにもかくにも失点が多すぎます。
得点はリーグ1位ですが、失点がリーグワースト5位。
17節を終えて、浦和より失点が多いチームは、仙台、大宮、広島、新潟の4チームのみです。
仙台が失点が多いのは、浦和が第6節で7-0で玉砕した影響が大きく、それ以外の3チームは降格圏に沈んでいるチームです。
攻撃陣が良いので、失点の多さをなんとかカバーしていますが、正直この状況でよく8位にとどまれていると見た方が良いかもしれません。
昨年は年間で28失点しかしなかったチームが、今年は前半戦だけで29失点と守備陣は崩壊しています。
DF陣はほとんどの試合で、槙野、遠藤、森脇の3人がスタメンで、誰かが出場できないときは、那須が出場します。
チーム内に競争はなく、いつも同じメンバーで戦っていれば、他チームにも研究され、攻略されるのは仕方ないかもしれません。
この記事を書いているのは7月31日ですが、昨日7月30日、ついにペトロビッチ監督の解任が発表されました。
サマーブレイク明けの3試合も1勝2敗。
これ以上の改善は見られないとのフロントの判断ですが、時期既に遅しな感は否めません。
来期以降の戦い方を考える、後半戦にした方がチームにとっては有意義かもしれません。
■前半戦成績(詳細)
キックオフ | 節 | 開催 | 勝敗 | ホーム | 試合結果 | アウェイ |
2/25(土) | 1 | アウェイ | ● | 横浜FM | 3-2 | 浦和 |
3/4(土) | 2 | ホーム | 〇 | 浦和 | 3-1 | C大阪 |
3/10(金) | 3 | ホーム | 〇 | 浦和 | 4-1 | 甲府 |
3/19(日) | 4 | アウェイ | △ | G大阪 | 1-1 | 浦和 |
4/1(土) | 5 | アウェイ | 〇 | 神戸 | 1-3 | 浦和 |
4/7(金) | 6 | ホーム | 〇 | 浦和 | 7-0 | 仙台 |
4/16(日) | 7 | アウェイ | 〇 | FC東京 | 0-1 | 浦和 |
4/22(土) | 8 | ホーム | 〇 | 浦和 | 3-2 | 札幌 |
4/30(日) | 9 | アウェイ | ● | 大宮 | 1-0 | 浦和 |
5/4(木) | 10 | ホーム | ● | 浦和 | 0-1 | 鹿島 |
5/14(日) | 11 | アウェイ | 〇 | 新潟 | 1-6 | 浦和 |
5/20(土) | 12 | ホーム | △ | 浦和 | 3-3 | 清水 |
6/4(日) | 14 | アウェイ | ● | 柏 | 1-0 | 浦和 |
6/18(日) | 15 | ホーム | ● | 浦和 | 2-4 | 磐田 |
6/25(日) | 16 | アウェイ | ● | 鳥栖 | 2-1 | 浦和 |
7/1(土) | 17 | ホーム | 〇 | 浦和 | 4-3 | 広島 |
7/5(水) | 13 | アウェイ | ● | 川崎F | 4-1 | 浦和 |
開幕直後はスタートダッシュに成功し、第8節までは、6勝1分1敗。
負けたのも開幕戦、引き分けは競合G大阪のみということから考えれば、第8節までは間違いなく優勝候補の一角でした。
しかし、埼玉ダービーで最下位の大宮に、今期初白星を献上。
よっぽど精神的に参ったのか、そこからの9試合は2勝1分6敗と、まるで降格するようなチームの戦績です。
特に勝てたのが、降格圏の新潟と広島だけで、広島とは接戦を演じてしまいました。
新潟戦以降は殆どの試合で複数失点しており、守備の立て直しは急務です。
しかし、そこにメスを入れられなかったのは、監督の責任という他ありません。
今期の現実的な目標としては、1桁順位で終わること。
上手くいけばACLの出場権獲得が出来る3位以内でフィニッシュすることでしょうか。
しかし守備陣の立て直しが出来ないままズルズルいってしまうと、2011年以来の2桁順位も現実味を帯びてきます。
■前半戦全試合出場
前半戦、全試合出場したのは、GKの西川周作選手、DFの槙野智章選手、MFの阿部勇樹選手、関根貴大選手、FWの興梠慎三選手の5選手です。
また全試合フル出場しているのは、GKの西川周作選手のみです。
だた今年の西川選手は好調とは言い難く、今までではありえなかったようなミスもおかしています。
先日の日本代表イラク戦で、代表メンバーから外れましたが、チームでのパフォーマンスが選考にモロに直結しています。
他に、16試合出場しているのは、DFの遠藤航選手、MFの武藤雄樹選手の2人。
15試合に出場しているのは、DFの森脇良太選手、MFの宇賀神友弥選手、駒井善成選手の3人。
14試合に出場しているのは、MFの柏木陽介選手、FWの李忠成選手の2人。
また今季から加入した、FWのラファエル シルバは13試合に出場しています。
こう見ると、13人の選手が13試合以上に出場しており、メンバーは本当に固定化されています。
冷静に考えれば、ACLやルヴァン杯がある過密日程の中、これだけの選手で戦っていていては、そもそも疲労も溜まります。
勝っている時は、メンバーをいじらないのが鉄則ですが、第9節以降負けが込んでも、メンバーを変えられなかったのが、現在の惨劇を生んでいるようにも見えます。
ここまでメンバーが固定化されてくると、チーム内に競争は生まれない。
そのことを浦和のフロントはもう少し早く気付くべきだったかと思います。
■前半戦チーム内得点ランキング
順位 | ポジション | 背番号 | 名前 | 得点 |
1 | FW | 30 | 興梠 慎三 | 12 |
2 | FW | 8 | ラファエル シルバ | 6 |
3 | FW | 9 | 武藤 雄樹 | 5 |
4 | MF | 10 | 柏木 陽介 | 3 |
4 | MF | 24 | 関根 貴大 | 3 |
4 | FW | 20 | 李 忠成 | 3 |
FW、MF陣の攻撃力は、間違いなくリーグ随一です。
上位6選手だけで、32点も上げており、チーム全体でもこれを上回っているのは、セレッソ大阪のみです。
攻撃に関しては、ペトロビッチ監督が長年積上げてきたものが、今年も通用しています。
前半戦では唯一の10点以上を入れている興梠選手。
17試合12得点ということで、1試合あたり0.7点は、驚異の数字です。
また、今期新潟から加入した、ラファエルシルバ選手も、13試合で6得点と早速フィットしています。
また、第17節の広島戦で関根選手が見せた、後半アディッショナルタイムの、50m5人抜き決勝弾は久々に痺れました。
関根選手はそろそろJリーグでは止められなくなってきています。
今の浦和では少ない明るい話題として、是非とも海外挑戦をして欲しいですね。
【追記】
今夏、ドイツ2部インゴルシュタットへの移籍が、2017年8月6日に正式に発表されました。
以上、J1、2017シーズン前半戦8位の浦和レッズの順位・結果でした。
次回は、2017シーズン前半戦第9位の、FC東京を見てみたいと思います。
*【まとめ】サッカー J1 2017シーズン前半戦の順位・結果(第1節~第17節)はこちら
*【ドルトムントvs浦和】試合から見えた世界と日本の差はこちら